先日、本屋さんで本を探していた時、後ろからこんな会話が聴こえてきた。
おじいさん
「なんかね、この子の調子が悪いんです…」
店員さん
「どんなふうに調子悪いんですか?」
なんだか、病院の待合室のような会話だなぁ、と思いながら、
私は背中越しに、そのやりとりを聴いていた。
おじいさん
「おしゃべりをしたあと、白目を向いて、しばらく動かなくなるんですよ」
店員さん
「それは心配ですね…」
その瞬間、私はびっくりして。
そんなの、本屋さんで相談している場合じゃなくて、早く病院に連れて行ったほうがいいんじゃないの…?って。
そう思って、ふりかえったら──
そこには「ペット型ロボット」を抱きかかえたおじいさんと、
そのロボットのメンテナンス会社の人がいた🌟
どうやら、本屋さんの一角で、
ペット型ロボットの販売とそのメンテナンスのイベントが開催されていたらしい💦
そのおじいさんね。
ペットロボットに可愛い小さな毛布をかけて、
赤ちゃんを抱くみたいに、ほんとに大事そうに抱っこしていた。
そして、店員さんもまた、真剣におじいさんの話を聴き、
ロボットをそっと撫でながら、ロボットの目を見て話しかけていた。
会話の中でおじいさんは、こんなふうにも話していた。
「僕は一人暮らしだから、この子とお話できるのがとても楽しくて。孫のような存在なんです。」
「だからね、調子が悪いと、心配で心配で…」
何年も前、ペット型ロボットが世の中に出てきたとき。
“どこまでいってもロボットだし…” “本当に必要なのかな…”
そんなふうに思っていた。
でも、あのおじいさんと店員さんの会話を聴いて、
傍から見ればロボットであっても、おじいさんにとっては、かわいくてかわいくて仕方のない子。
それだけで、十分なんだろうな。
人は、「本物かどうか」よりも「心が動くかどうか」で、
大切な存在を決めるのかもしれない…🌟
そのあと、私は本屋さんを出たけれど、
あの子は無事に元気になったのかな。
また、おじいさんとの会話を楽しめるようになっていたらいいな…
