何十年も前のあるエピソード。
知り合いの担任していた子どもがひどい皮膚の病気でね。一日中全身をかきむしっていたそう。
そんな状態だから、学校でも落ち着くことができず、お友達とのトラブルも多い。
とってもいい子なのに、なんだかうまくいかない。
皮膚のことについても、病院も受診しお薬も塗ってるのに全然治らなくて。
お母さんも、どうしたらいいかと困り果てていて、よく相談に来られていた。
そんなとき。
ふと、子どもよりお母さんの状況が気になって。
お母さん自身のことをご本人に尋ねたところ、同居しているお姑さんとの仲が非常によくないことがわかった。
結婚してから何十年も、嫁姑問題でもめている。つらいと。
もしかして、今のこの子の状況は、お母さんとお姑さんの関係からきているかもしれない。
お母さんに正直にそのことをお伝えしたところ、
子どもには申し訳ないけれど、どんなことがあってもお姑さんを許せないし、仲良く過ごすなんてできない、と言われたそう。
うーん…
そうおっしゃる背景には、きっと相当ひどいことがあったのだろう。
よって、子どもの症状はよくなることなく、学校でも荒れた状態が続いていた。
ところが、その数年後。
ある事情からお姑さんと別居することとなり、物理的に離れて住むことになったそうで…
子どもからは「おばあちゃんいなくてさみしい」という言葉があったけれど、
身体をかきむしる姿を目にすることが減り、みるみる肌の状態がよくなってきたって。
そして、肌が落ち着いてきたからか、物事に集中して取り組める時間が増え、お友達とのトラブルもなくなって、お母さん自身も驚くほど。
ほんとに不思議。
嫁姑は大人のことだから、直接子どもの問題ではないかもしれません。
でも、毎日の中で、子ども自身も気づかないうちに、その「気」を感じ取ってるのでしょうね。
嫁姑だけでなく、夫婦のこと、家族のこと、仕事でのこと、など、自分の心だけにしまっているつもりでも、子どもは無意識にひろっていて…
理由もわからず、身体や行動に出ているのかもしれません。
子どもはとても純粋で、繊細で、敏感。
だからこそ、大切なお母さんの気持ちを誰よりも感じ取って、自分に映し出してしまうのでしょう。
私も、私自身の我慢を、息子が別のカタチで見せてくれたことがありました。
息子が落ち着いているときは、私が落ち着いているとき。そうじゃないときは、そうじゃないとき…
今では、息子が私のバロメーターです(笑)
息子が私のバロメーターになったきっかけ。
これも、いつかブログでお話してみたいです。